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近年、半導体、液晶などの電子デバイス製造工程において、空気中の微量ガス成分による影響が大きく取り上げられるようになりました。これらガス状汚染物質には、外気に由来するもの、製造プロセスに由来するもの、クリーンルーム建屋、装置の構成材料に由来するものなどがあります。以上のような汚染原因を追究し、対象物質に合った対策をとることが重要です。
クリーンルームで問題となるガス状汚染物質は以下の5つに大別できます。
酸性ガス(acids) | 二酸化硫黄(SO2)(NO)(Cl2) |
塩基性ガス(bases) | アンモニア(NH3)、アミン等の塩基性層のガス状物質 |
凝縮性有機物質(condensables) | 沸点50℃程度以上の有機物質 |
ドーパント(sopants) | 半導体製造時に使用されるドープ剤で、主にホウ素、リン |
低沸点有機物質(very volatile organic compounds) | 凝縮性有機物質に当てはまらない沸点の低い有機物質以上を測定するためには、各汚染物質に合った捕集方法と分析方法をとることが重要です(表1)。捕集方法については以下の通りです。分析方法は適応した捕集方法によって捕集した後、各分析計に導入して行う方法を意味します。 |
表1:各汚染物質に対して適用できる捕集方法と分析方法
≪補修方法≫
溶液吸収法 空気を、インピンジャ内の超純水、脱イオン化水、弱酸溶液、弱アルカリ溶液などの溶媒に通して目的成分の捕集を行う。 固体吸着法 空気を捕集管内の活性炭、ポリマービーズなどの吸着剤に通して目的成分の捕集を行う。 フィルタ捕集法 空気をカートリッジ内のフィルタに通して目的成分の捕集を行う。 直接捕集法 空気を真空捕集瓶、捕集袋などに捕集する。
クリーンルーム建材などから発生する汚染物質はアウトガスと呼ばれ、歩留まりの低下の原因となります。これを防ぐためには、建物の計画段階からアウトガスの少ない建材の選定を行うことが重要です。構成材料から発生するアウトガスの分析では、目的成分の種類だけでなく、材料の使用形態(表面又は全体のアウトガスが問題になるもの等)にも考慮した捕集・分析方法が必要です(表2)。
表2:試験体の形態ごとの測定方法と適用する測定容器の例
≪試験体≫
平面形状部材 シート、パネルなど平面形状の部材 充てん材 シール材など使用箇所により形状が異なるような部材 塗布材 塗料、接着剤など材料に塗布する部材 立体形状(小) パッキン、電線被覆など、立体形状を有し比較的小さい部材 立体形状(大) 空調機器、製造装置など立体形状を有し比較的大きい部材 複合部材 フィルタ、パーティションパネルなど上記分類に該当しない複合的な部材
≪試験容器≫
測定にはステンレス製、ガラス製など測定対象とするガス成分の発生がない材料で構成された容器を用います。
マイクロチャンバ 比較的小さい試験体(充てん材など)に適用する。≦0.001? スモールチャンバ 人手で扱える程度の大きさの試験体に適用する。0.001〜1? ラージチャンバ 立体形状(大)、複合部材など分解せずに、そのまま取り扱う部材に連用する。1?>
≪測定方法≫
スタティックヘッドスペース法 試験体を密閉した測定容器に封入し、一定期間放置後に発生したガスを容器中の気相部とともに捕集・分析する方法。 ダイナミックヘッドスペース‐スクリーニングテスト法 試験体を測定容器に設置した状態でキャリアガスを連続約に流通させ、流出空気に含まれる発生ガスを吸着剤又は吸収液などによって捕集・分析する方法。 ダイナミックヘッドスペース‐エンジニアリングテスト法 常温かつ一定湿度の条件下でダイナミックヘッドスペース法を行い、発生ガスを評価する方法。 基板表面吸着‐加熱脱着法 試験体とともにシリコンウェーハ、ガラスなどの基板を同一の測定容器内に定温で一定期間放置し、基板上に吸着したガスを加熱・脱離させて分析する方法。 現場試験法 クリーンルーム内に施工された内装材料などを対象とし、試験体の表面から発生するガスを捕集容器などで捕集し、分析・評価する現場測定方法。
製造現場ではクリーンルーム空気中の微量ガス成分のほか、さまざまなガス状、分子状汚染物質による汚染不良が発生します。このような汚染原因を追究し、対策するためには製品の表面分析などの重要となります。
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